「HSP/HSS目線で語る職業のメリット・デメリット」について当事者の方々に書いていただいています。
今回は翻訳と翻訳校正のご経験をもふもふさんに語っていただきました。
HSS型HSPのお仕事経験談No.10:もふもふさんについて
まず最初にもふもふさんについてご紹介します。
ご年齢 | 30代 |
HSP? HSS型HSP? | HSS型HSP |
ご職業 | 翻訳&翻訳校正 (今は院生です) |
職場環境 | オフィス勤務 |
雇用形態 | 契約社員 |
就業期間 | ここは伏せさせて下さい |
HSS型HSPのお仕事経験談No.10:お仕事内容

お仕事内容について教えてください。
CRO(製薬会社の医薬品開発支援をする業界)にて、社内翻訳をしておりました。
主な作業としては日英翻訳です。
翻訳している文章の種類は、医薬品の副作用に関する書類でした。

お仕事を始めたきっかけは?
大学卒業前に留学をしていて
という理由から、翻訳業を大学在籍時から探していました。

どんな環境で働いていましたか?
新卒時は派遣社員としてCROの企業に派遣され翻訳業を担当し、2社目では契約社員として同じく翻訳を担当していました。
1社目の方が翻訳する文章の種類は多かったです。
医薬論文の翻訳も少し担当していました。
一緒に働いている人たちは、1社目は20歳代が多く、2社目では20歳代と30歳代が半々という感じでした。
私のように翻訳をする人たちは、今振り返ると、性格的にHSP気質の人や内向的な人が多かったと思います。
また、派遣社員の人たちは将来フリーランスになることを目標にしている人たちが結構な割合でいらっしゃいました。

翻訳とフリーランスは相性がいいですね。
HSS型HSPのお仕事経験談No.10:お仕事のメリット

どんなところがHSS型HSPに向いていましたか?
英日、日英翻訳をしていましたが、HSPの細かい所に気がつく点は、特に英日翻訳で訳に立っていました。
例えば、句読点を入れる箇所や言い回し、語彙の統一です。
英語ネイティブであれば、日英翻訳で同じことができたと思いますが、残念ながらそこまでは語学力がありませんでした。
医薬翻訳はとにかく訳出のルールが細かく、命に係わる文章ということもあって見落としなどのミスをすると、クライアントからとてつもなく怒られるのですが、そういうミスに気が付くことが多かったです。
他人の文章を見ているときに多く、自分の文章は見落としが割とありました。

もふもふさんにとって、メリットだったところを教えてください。
営業や接客業と違い、人とたくさんのコミュニケーションが必要ではないので、あまり精神を消耗することなくお仕事をすることができたと思います。
ただ私はHSS型も入っているため、後述しますが、途中で飽きてしまうことも多かったです。
他の人たちも、あまり作業中にお話をするのが好きな人たちではなかったように思います。
私はとにかく世間話が得意ではないため、この点はよかったです。

職場環境で良かった点はありましたか?
職場環境も、基本はとても静かにやることができました。
電話もあまりかかってくるような職場ではありませんでしたので、ざわついている環境が嫌な人にはとてもいいかもしれません。
とにかく人と関わることがあまりなく、1人で黙々と作業することができたところは自分に一番合っているメリットだと思っております。
ただ、このような仕事内容だったら自宅でできるのではないかと最終的には思うようになり、それがフリーランスになることを決意させましたが… 。
時間があるときには、割とゆっくりと自分のペースで作業できました。
急かされると頭が真っ白になるので、ここも良い点だったと思います。

納期はあるものの、自分でスケジュールを管理して進められると助かりますね。


HSS型HSPのお仕事経験談No.10:お仕事のデメリット

HSS型HSPに向いていないなと感じる点を教えてください。
HSS型の気質に絞ると、翻訳ではデメリットになることも多かったように思います。
理由としては、やはり毎日同じ場所で、同じ作業の繰り返しになることがとても多いからです。
半年ほどすると、同じ作業の繰り返しが辛くなりました。
同僚も必死で作業をしているので話したりすることがなく、黙々と黙って作業をするため、いかに世間話が苦手な私でさえも、少し寂しくなることはありました。
「正直、会社に行ってまで、する作業なのだろうか?」
「自宅でできるのではないであろうか?」
と常日頃思うようになりました。

だからフリーランスを目指す人が多いのかも…。
人間関係に関しては、業種に関連しての問題はありませんでしたが、翻訳が締め切りまでに終わりそうになくて、他の人に翻訳を頼むときには本当に気を使いました。
特に残業になりそうなときには、ギリギリまで頼むことができず、結局怒られるということはありました。
また、この職種に限ったことではないのかもしれませんが、隣の人がため息や独り言、舌打ちをするような人だととても辛いです。
私の場合、近くの席の人で独り言がとにかく多い人がいたのですが、とても嫌でした。
ずっと同じ固定されたメンバーで仕事をするため、それが合わないととても大変だと思います。
あまりにも嫌なときは、私は上司に言ってこの人の独り言がどうしても気になってしまい、業務に集中することができないので、「場所を変えてください」と1年位我慢した後に言いました。

オフィス勤務の場合、業務は個人作業でも、オフィスの環境や人間関係は少なからず影響受けますよね。
また、先輩の英語が間違っているときに指摘をするのがとても嫌でした。
人によってはプライドがある人もいると思いますし、実際に私の同期で歯に衣着せずズバズバと言う子がいましたが、少し先輩から煙たがられていました。
でもやっぱり間違っているので、私としても指摘しないわけにもいかない…。
そこはすごく困っていました。
プロとして当然なのかもしれませんが、翻訳の経験がある人は、やはり自分の文章(英日問わず)に、一定のプライドがある人が多いように見受けられます。
私の場合は、翻訳に限らず間違いを指摘されると、とてつもなくしょんぼりとしてしまいます。
訳文の間違い=私自身の否定ととらえてしまう癖がありました。
今思えば、子供っぽい考え方だなとは思うのですが。
また、いくつか同じ表現がある文章を手分けして訳すときに、雛形を作ってチームのメンバーに送るのですが、自分が訳文の雛形を作るときには、とても緊張しました。
間違っていると、みんなの翻訳にも影響を与えるからです。
HSS型HSPのお仕事経験談はいかがでしたか

もふもふさん、ご経験を語っていただきありがとうございました!