「HSP/HSS目線で語る職業のメリット・デメリット」について当事者の方々に書いていただいています。
今回はホテルマンのご経験をむーんさんに語っていただきました。


HSS型HSPのお仕事経験談No.2:むーんさんについて
まず最初にむーんさんについてご紹介します。
ご年齢 | 25歳 |
HSP? HSS型HSP? | HSS型HSP |
ご職業 | ホテルマン |
職場環境 | 店舗 |
雇用形態 | 正社員 |
就業期間 | 2017年〜現在 |
HSS型HSPのお仕事経験談Vo.2:お仕事内容
私は、高級ホテルで働いています。

どんな環境で働いていますか?
全国規模のホテルです。
私の配属は地方で、そこまでホテルが大きくはないので従業員は40人ほどです。
スタッフはほとんど20、30代。若いチームで働いています。

お仕事を始めたきっかけは?
私は昔から周りの人を喜ばせることが大好きで、たくさんの方を笑顔にできるような仕事につきたいと思っていました。
大学では心理学専攻だったため、心が疲れてしまった方のサポートにも大変興味があったのですが、友人に「あなたは人の喜びに触れているような仕事が向いている」と言われ、その言葉に後押しされてホテル業界に飛び込みました。
人生の中でも、ホテルに行くというのはそれぞれにとって幸せなタイミングであることが多いと思い、ウェディング業界と迷った末にホテルに決めました。
就活の際の面接官もホテルマンですごく話しやすく、楽しく働くイメージがついたことが最後の一押しになったかなと思います。

お仕事内容は?
ホテルでのフロント業務や、お食事の提供など多岐に渡ります。
HSPには向いていないと言われるマルチタスクをなんとかこなしています。
HSS型HSPのお仕事経験談No.2:お仕事のメリット

どんなところがHSS型HSPに向いていると感じますか?
とにかく「おもてなし」「思いやり」の心を持っていることです。
HSPらしさ全開でお客様の心の声に耳を傾けることができ、周りのスタッフよりも多くの情報を読み取ることができるので、かなり褒めてもらえる機会が多いです。

何も言われなくても求めていることがわかるのはHSPの強みですよね。
サービス業や接客業では活かせる場面が多いはず。
考え込みすぎる気質なのでずっとミスしてしまったことを思い詰めるような性格なのですが、ホテルがあまりに忙しいので疲れて帰って1日寝たら忘れることができています。
あまりに暇だといろんなことを考えてしまうので、そういう面では自分にあった仕事かもしれません。
また、共に働いているスタッフはほとんどが20代ということもあり大変和気あいあいと働くことができています。
常に神経をとぎすませ周りに気を配っている私は、あまりに年が離れている方は何を考えているのか分からず、気を遣いすぎて心が疲弊してしまします。
近い年齢層ならばある程度表情などから感情が読み取ることができるので、その点は働きやすさにつながっているかと思います。

年齢が近いと話題も浮かびやすいし、話が弾みやすいかも。
むーんさんご自身に合っていた点は何ですか?
私はHSS型も持ち合わせているため、多様なアイディアを出すことや、みんなの意見をまとめ、責任ある仕事に取り組むなど意欲的に行動できています。
HSSであるがゆえに集中して仕事をスピーディーに終え、評価されることもありました。
常にアンテナを張って仕事をしていることで、会社内の対人関係などを観察する力もあります。
困っている人の話を聴き、寄り添って社内のカウンセラーのような存在になっていることもあります。
「むーん」に話すと安心する、と言ってもらえることもあります。
このあたりは気質を生かせているのかなと思います。

お客さんだけじゃなく社内のスタッフたちを気遣えるのは、HSPだからこそかもしれませんが、むーんさんご自身のすごさです!
なかなかできることじゃないです。


HSS型HSPのお仕事経験談No.2:お仕事のデメリット

お仕事のどんなところが辛いですか?
一番辛いのは、スタッフからの理不尽な要求や何気ない一言にいちいち傷ついてしまうことです。
忙しい仕事なのでスタッフが周りに気を遣えず、ミスした人をみんなで責めるような風潮があります。
そういうときは耐えきれない思いがします。
ミスした人の悪口をその人がいる前でしているのを見たときには、悲しくて悔しくて私が逆に泣いてしまったこともありました。

読んでいて私も胸が痛みます。
こういった性格なので「サイコパス」と呼ばれるような、あまり人の心情を読み取ることが出来ない方の標的になってしまい、心ない言葉やいじめのような悪質な行動から、病気になってしまうこともありました。
また、スタッフだけでなくお客さまも理不尽な要求をされたり、怒鳴られたり、色んな感情をみせてくるので、いちいちその言葉に反応していると心がどんどん委縮してしまいます。
「考えすぎ」「気にしなくていい」と言われても、言われて辛かった言葉がどんどん頭の中で繰り返されるため、すごくもやもやとした気持ちになってしまいます。
組織が大きいほどそのような機会も増えるので、自分を消耗させないためには少人数の職場が適しているなと感じていました。

一緒に働く人数が多いと、その分気にすることが増えて気疲れしやすくなりますよね。
スルーできればいいけど、それもできない。涙
他にはありますか?
マルチタスクゆえの辛さもあります。
HSS型が災いして、自分から休むことなく猛スピードで仕事を取りにいくのですが、頑張りすぎてつぶれてしまうことが多いです。
色んなことを考えながら動くので、小さなミスも連発してしまします。
ハイスピードで頑張りすぎて体調不良→無理をしながら働く→ミスをする→心も体調不良というようなことを繰り返す、悪循環に陥ることも常々あります。

この悪循環、わたしも経験したことがあります。
ついつい無理してしまう癖がついていると負のスパイラルを断ち切るのは結構大変なんですよね。
お仕事内容以外で気になる点はありますか?
職場環境的には、なかなか1人になりづらいというのが辛いです。
常に「グループ」で仕事をしているので1人の時間が欲しくてもなかなかそうはいきません。
休憩も他のスタッフと一緒ということもあり、他のスタッフが盛り上がっている会話に集中してしまって全く休むことができません。
仕事自体も残業をいれると10時間以上、MAXだと14時間働くこともあり、 仕事中心の生活になるので、寝ているときも会社の夢をみるなど心が全く休まらない時期もあります。


HSS型HSPのお仕事経験談を聞いて感じたこと
ホテルマンという職業上、勤務時間が長くなったり不規則だったりするので体調管理が難しいと想像します。
日々いろんな人と接するお仕事は、HSPだと知らず知らずのうちに疲れが溜まってしまうと思います。
そんな環境の中でも、お客さんはもちろん一緒に働くスタッフの人たちに寄り添って仕事をしているむーんさん。
これからもむーんさんの魅力をお仕事で発揮してほしいなと感じました。
正直むーんさんのお身体が心配ですが…
いっぱいいっぱいになったら私がむーんさんのお話を聞くので、そのときは教えてくださいね!

むーんさん、ご経験を語っていただきありがとうございました!