「HSP/HSS目線で語る職業のメリット・デメリット」について当事者の方々に書いていただいています。
今回は美容部員のご経験をmuuさんに語っていただきました。
HSS型HSPのお仕事経験談No.9:muuさんについて
まず最初にmuuさんについてご紹介します。
ご年齢 | 30代前半 |
HSP? HSS型HSP? | HSS型HSP |
ご職業 | 美容部員 |
職場環境 | オフィスや自宅 (状況により異なる) |
雇用形態 | 個人事業主 |
就業期間 | 2013年9月~現在 |
HSS型HSPのお仕事経験談No.9:お仕事内容

お仕事内容について教えてください。
販売店に勤める美容部員とは異なり、自宅や相手のお宅、または会社など、相手のスタイルに合わせて美容や健康の提案をしたり、研修会へのお誘いをします。
口コミのみでの集客となるので、営業等の知らない人に対して売り込みすることはありません。
友人から伝わり紹介へと広がっていきます。
いわゆるネットワークビジネスです。

お仕事を始めたきっかけは?
私は肌が弱くもともと化粧品の愛用者でした。
よく言われる美容業界のイメージとは異なり、プライベートでの支えや人としても成長できる会社でした。
自分自身がまだHSPと気付く前で人間関係や生き方に悩んでいたので、人との関わりの改善や成長したい思いがあり始めました。
ネットワークビジネスへの不安もありましたが、しっかりとしたシステム管理でしたので、販売員をやることにしました。

どんな環境で働いていますか?
働いている層は20代~60代と幅広く、ネットワークビジネスなので副業としてやっている人も多々います。
美容部員をメインとして働いている方は20人程度、個人事業主という形なので働いている方々とは会議や研修でたまに関わる程度です。

いろんな働き方をしている人がいるんですね。
他の美容部員さんとの関わり方も、ちょうど良い感じがします。
HSS型HSPのお仕事経験談No.9:お仕事のメリット

どんなところがHSS型HSPに向いていますか?
HSS型HSPの私は、もともと人と関わることが好きだったため今までのバイトや仕事も接客業ばかりで、相手と関わらないと仕事にならない仕事ばかりしていました。
人と関わる仕事をやっていきたいと思っていたので、美容部員という人と関わること自体は毎日とても刺激があり、相手に伝わったときの喜びや、喜んでいただけたときの相手からの感謝の言葉、達成感や自分の存在意義など、生き生きできてとてもやりがいのある仕事でした。
毎日違う予定なのでHSS型の部分にはとても当てはまりました。
勤務場所は自宅なので、基本的には自分で仕事を決めることができ、日にちや時間などは融通が利きます。
また勤めていた会社は一般的な美容部員のようなノルマはなく自分で目標は決めることができ、目標の内容も各々の基準で進めていくことができました。
自分のペースでじっくりやりたいHSPにはよかったと思います。
そのような目標設定でそれぞれ楽しんでやっているので、働いている方たちも明るくいつも前向きでポジティブな雰囲気です。
考えすぎてネガティブになってしまうHSPにはポジティブの考えを知ることができました。

muuさんにとって良かったところを教えてください。
美容と健康をテーマにしているので自分自身も実際きれいになり、オシャレを楽しめるようになりました。
そして人と関わることで、対応や会話も通常のコミュニケーションくらいは自然と身に付きました。
人として普通に会話ができるようになったことは自信がつきました。
外見を磨くこともHSPが自信を持つのにいいと聞いたことがあります。
HSS型HSPの私には人と関わることで刺激があり、自分磨きで自信をつけられ、ノルマがなく自分のペースでできる内容はメリットでした。

このようなお仕事は、ノルマが厳しいことが多い中、muuさんの会社の方針、雰囲気は働きやすそうです。
同じ仕事内容でも、大きく違うとつくづく思います。
HSS型HSPのお仕事経験談No.9:お仕事のデメリット

HSS型HSPに向いていないなと感じる点を教えてください。
ノルマはない会社でしたが、美容部員として仕事としている以上、結果を出してこそのところはあります。
自分のペースでできますが、自分で決めた目標に届かなれば、いろんな方法を考えるために仕事に時間を充てます。
自宅でやれることにメリットもありますが、プライベートと割りきることができないといつも気が張っており、仕事がない時間にはぐったりすることも多々ありました。
プライベートとの割り切りの他にも、初めのほうは美容部員だけでは収入が安定しないので食べて行けず、家庭もあったので他の仕事を掛け持ちしていました。
家についたら動けなくなってしまい、そのまま床で朝まで寝てしまうことも多々。
洗濯物も休日になるまで回せません。

お仕事とプライベートの両立に悩む人は多いと思いますが、プレッシャーやストレスを感じやすい人ほど、仕事として割り切れないケースが増える印象です。
そんな日が2、3年続いていましたが、そのときはまだ自分がHSPと知らなかったので
「他の人は他に仕事をしたり家庭を持ちながらやれているのに、なぜ自分だけこんなに疲れやすいのか」
「なぜ自分だけ要領が悪いのか」
と思いながらも、
「みんながやれているのだから、私ができないのがいけないのだ」
「早くできるようにもっと頑張らないと」
という気持ちでやり続けていました。
明るくポジティブな環境で、美容部員という職業柄キラキラしており、他の人から「楽しそうでいいね」と言われることもありましたが、HSPなので根本にはネガティブな感情があります。
それを押し込んで
「明るくいないと!」
という気持ちもどこかであり、ギャップで自分がわからなくなっている部分もあったと思います。
また、これは美容部員という仕事に限らないと思いますが、直属にあたる上司がタフで非HSPであり、私と全く逆の性格や考えを持つ方でした。
私の疲れやすさや根本にあるネガティブを理解してもらえず、頑張れば頑張ろうと思うほど上司との間でどこかわだかまりができてしまい、ついに体も精神的にも影響がでて仕事ができなくなりました。
美容部員をやれている方は非HSPのほうが多いのかもしれません。
HSP・非HSPというだけで判断は良くないと思いますが、職業柄、上司がどのような方なのかはとても関係してくるように思います。
その後は自分の顧客の関係もあるので完全には辞めず、職場や顧客に話をつけ、今は顧客が困らないように、自分がつぶれない程度にやらせてもらっています。
自分がHSS型HSPと知っていて自分の体のことや考え方が分かっていたら、もう少し対処もでき働き方も考え、体を壊すまでにはならなかったと思います。
HSPなので周りに合わせようとしすぎてしまっていたので、自分が何を大切にしていきたいか、どうしていきたいかをしっかり持っていないと、良い環境でも活かすことができないと実感しました。

重要ポイントを踏まえて、まとめてくれました。
今回美容部員という職種でHSS型HSPを知ることができ、良いきっかけになりましたが、この仕事に就く前、他の職種でも似たようなことが何度かありました。
HSPに合う仕事は気質的にあるとは思いますが、自分のことをよく知り、自分の考えを持つことがどんな仕事に就くにも大切なのでないかと個人的には思います。
HSS型HSPのお仕事経験談を聞いて感じたこと
自分が何を大切にするかは、どんな仕事を選んでも1番重視するところですよね。
接客業でコミュニケーション能力を伸ばし、それが自信に繋がっていているmuuさん。
このお仕事のメリットをしっかりと吸収してるなぁ、と思いながら読ませていただきました。
おっしゃっていたように、上司がどんな人であるかによって働きやすさは左右されます。
そこは運もあるのでコントロールは難しいですが、muuさんのようにご自身の働き方を相談できると解決しやすいはず。
自分を知り、譲れないものと向き合うことで、ベースとなる自分軸が作られるんじゃないかと感じました。
この企画が、そのきっかけになってくれたら嬉しいです。

muuさん、ご経験を語っていただきありがとうございました!